2017年4月17日月曜日

ローワン・アトキンソン、復帰作はメグレ。

Mr.ビーンで20世紀終盤に時代の寵児となった ローワンアトキンソン。
一時引退していたが、本格復帰作フランスの刑事 ジュール・メグレ役でMr.ビーンとは正反対のシリアスで重厚な演技。
本人は50歳を超えてからビーンを演じる事にすっかり飽きていて徐々にコメディー路線から距離を置いていたがロンドンオリンピックのPVなどにはMr.ビーンとして登場していた。
これは完全にビジネスとして割り切ったモノだったようだ。

この、一歩間違うと例えば発達障碍者の支援組織的な所から非難轟々となりそうなキャラクターをパントマイマーとしてのスキルで演じ切り、その奇矯さを、涼しげに澄ましかえった常識の世界に対するシニカルな笑いに昇華させ当時の世界の暴発防止弁となっていたことは否定できない。

007モノのパロディー、ジョニー・イングリッシュでもそこそこ当てたがコメディー路線だとどうしてもMr.ビーンの幻が付いて回る。
正反対の陰りを帯びたこの警察官の役はビーンの幻を振り切るためには有効だということか?

今回AXNミステリーが用意したのは長編2編。
「メグレ罠を張る」と、
「メグレと殺人者たち」
4月15日(土)一挙放送で視たがパリの暗部を良く描いている。話の中にストリップ小屋や売春婦などが頻繁に現われるので少年少女は視ないでください。大人でも、ダークツーリズムに憧憬を抱くような者でないとこのドラマ中で描かれる世界は不快に感じるかもしれない。
原作が超有名な上、何度も映像化されているのでトリックや推理の道筋は重要な扱いはされていないように思う。
「みんな知ってるでしょ?」ということだろう。
制作会社がデイビッド・スーシェのポアロで知られるITVであり、刑事フォイル(原題:Foil's War)の後番組のため劇中使われる自動車や人物、とりわけ御婦人方のファッションの考証は完璧である。近年、映像中の描写にさえ喫煙シーンを入れることが憚られる風潮があるがメグレと言えばパイプタバコ。劇中ローワン・アトキンソン演じるメグレはぷっかぷっかふかしまくっている。パイプタバコにまつわる細かな仕草も決まっていて実に良い演技だ。

6月24日(土)・6月25日(日)の両日午後4時から4人のメグレを集中放送。

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